こんにちは。KAASスタッフのMです。 2018年7月5日(木)~16日(月)金沢クラフト広坂にて Kei Arabuna(ケイアラブナ)が企画・プロデュースする 「GASSHO PROJECTS」(ガッショウプロジェクツ)の第2回展示会、 「現代アーティスト ケイ・アラブナ と 日本を受け継ぐ職人技 の、合作展示会」 についてお話したいと思います。 今回は、「GASSHO PROJECTS」メンバーのひとり、 切出刀鍛冶師、増田 健 (ますだたけし)氏についてお話します。 Kei Arabuna氏と増田 健氏との出会いは、 「切出刀が欲しいから、買いに行こう!」と 新潟県燕三条市まで切出し刀を買いに行ったことがきっかけでした。 ※切出刀(きりだしとう)とは 切り込みを入れたり、細部を加工するときに使いやすい刀です。 平刀のように、広い面を削ることも出来ます。 彫刻刀の中でも最も使用頻度が高く、切断、削り、掘り込みにも使用することもでき、 荒削りから仕上げまで使える万能タイプな刀です。 革・木・粘土・紙など様々な素材に使用できるので 多くのものづくりに関わる職人・作家には馴染みの深い道具です。 <彫刻家・現代アーティスト>でもあり、 LEATHERS by Kei Arabuna(レザーズ バイ ケイアラブナ)の<レザー作家>でもあるKei氏。 Kei氏は切出刀を彫刻作品の細部を彫る際や、 革小物を制作する際には革を裁断したり、薄く漉く際に使用しています。 GASSHO PROJECTSメンバーである<建築大工>の若山真也氏も 仕事柄、切出刀を使用します。 ある日、Kei氏は若山氏と一緒に遊びながら話をしていたところ、 「質の良い切出刀が欲しいな~。」という話をしていました。 すぐにインターネットで「切出刀」というキーワードで調べてみると <新潟県燕三条市に切出刀職人がいる>という情報を見つけました。 「新潟県なら石川県から近いじゃねぇか!」 思い立ったが吉日、その場ですぐ車で出発したKei氏と若山氏。 それが案外遠かったそうです(笑) 燕三条市に到着したころにはすっかり夕方。 切出し刀職人の増田氏のお店は閉まっていました。 そこまで遅い時間ではなかったのに、なぜかその日はどのお店も閉まっていたそうです。 「せっかく石川から来たのに、このままじゃ帰れない!」 と焦り、増田氏に電話すると 「お盆の家族の集まりでお店にはいません」という返事がありました。 「あれ?今日はお盆か!」 と驚くKei氏と若山氏。 「どうりでお店が全部閉まっているわけだ」 早く気付けよって感じですね。 K&若「僕たち、石川県からはるばるあなたに会いにきたんですけど~…」(しどろもどろ) 増「わかった。集まりが終わってから、遅くてもよければ工房開けるよ」 お盆のアポなし訪問にも関わらず、神対応の増田氏!! その後、工房でいろんなお話を聞かせてくれたそうです。 お目当ての切出刀も買えて、2人はホクホクとした気持ちで帰路に付きました。 それから時が経ち、「GASSHO PROJECTS」がスタート。 確かな職人技による、質の良い切出し刀をプロデュースしたい、 ものづくりの人(革、工芸)という思いから Kei氏は迷わず増田氏を選出しました。 新潟県在住の増田氏とは、直接会って打ち合わせすることは困難です。 増田氏は通信機器はFAXしか持っていないため、 Kei氏はFAXで等倍になるように設計図を送信し、制作の指示をしていました。 1つの商品の完成までに非常に手間暇がかかるため、 1度の展覧会につきそれぞれ1つの商品しか作れないそうです。 増田健さんは稼業の鍛冶屋を継ぎ2代目。 幼いころから父である先代の仕事ぶりを見て育ち、 自身も迷うことなく当然のようにこの道を選んだそうです。 先代である親方は、口で仕事を教えてはくれはせず、 毎日親方の作業を見ては盗み自分のものにし、一連の流れを覚えたと言います。 切出と小刀の製作一筋46年余。 長年にわたり鋼と炎を扱ってきたことを示す、 作業場の使い込まれた道具や 機械に囲まれて、 周りに流されることも気負い過ぎることもなく 三条鍛冶職人衆の一人として活躍され、仕事を続けています。 <燕三条金物本舗のHPより>
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Kei Arabuna /ケイ・アラブナ Archives
June 2022
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