『時を携える』 -beside of moments- <A5システム手帳・セミオーダー(注文可)> material: 牛革(ハーマンオーク社サドル<内>、クロム鞣革<外>)/ 漆(黒呂)/ 柿渋(石川県産)/ 真鍮(手打ち金具)/ リフィル金具(クラウゼ社/ドイツ製) セミオーダーメイド「変更箇所:名刺ポケット、内革」 MLWKの製品は部位により様々な革を組み合わせて一つのアイテムを作成しています。 外革には「鎧」であることの条件として「守る」ことに特化した性能が備えたクロム鞣の革に、 独自の技法による漆染めを施します。 そして内革には可塑性や質感を追求するべくタンニン鞣しの革を用います。 タンニン鞣しの中でも様々な特徴があるので、オーダーメイドの場合は お客様のイメージに合わせた革をこちらでお選びいたします。 様々な鞣し、産地、タンナーの革を常備し、臨機応変に使いこなすのもMLWKならではのこだわりです。 革はもちろん、金具にも特別な配慮があります。 真鍮とは銅と亜鉛の合金です。 その配合率によりその特性は変わります。 適切な配合率の金具が存在しない場合は私が一からお作りしています。 上:強度を持たすため亜鉛の配合を上げた真鍮無垢材を手打ち鍛造により成形。仕上げは鏡面まで手磨きしています。 中:片上留、真鍮駒、ロック付きスライダー、綿テープというビンテージジップの手法で作られた日本製ジッパー。 下:黄銅の輝きが美しく、経年変化と共により一層濃い金色に輝くイタリア・フィオッキ社製ボタン。 同じ革でも一手間かけるだけでその特性は変わります。 開いて真ん中の金具の両端に広がる当て革。 これも同じハーマンオークレザーですが、見た目からして質感が異なります。 革の表面を濡らして柔らかい布で入念に磨き上げます。 そうすることで革の表面の繊維が締まり鏡面となり、傷はつきやすくなりますがその裏にあ革の変形を防ぎます。 ピッチ(縫い幅)にも美しさと機能性、革の厚みに対する耐久性を考慮し部位によって変えています。 それに伴い糸の太さも変わります。 上:塗料や溶剤を使わず、日本古来の染料である柿渋で幾度となく磨かれた木端(革のヘリ)。 柿渋は繊維を引き締めるだけでなく、湿度やカビから守る役割を持っています。 磨いては削り、磨いては削りを繰り返して末端を整えていきます。 下:手帳はA5サイズですが、A4サイズの書類を折らずに収納できるポケットが設けられています。 <後述> オークでじっくりと鞣された革、ハーマンオークレザー。 手帳を開くたびに樫の香りが広がります。 程よく熟成されたバーボンを片手に、 いつかまたゆっくりとお話ししたいお客様でした。
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Kei Arabuna /ケイ・アラブナ Archives
June 2022
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