僕の考えはとてもシンプルで、特徴というか能力に一貫しているものがあります。 物には魂があると思うし、その素材にも心があると思う。 誰が作ったものでもそれは同じだし、どんな状態になっても想いさえあれば大切にし続けることができる。 それを手助けできるのが素材と対話できる人と、それをカタチにできる人。 色々な人がいて話し方や服装やメイクを変えるように、モノによって接し方も異なる。 今回は漆染のコードバンを用いてリペアさせてもらいました。 ハラコ革を使った他社様の製作したロングウォレット。 しなやかな手触りと柔らかさが特徴ですが、どうしても薄い皮しか取れないため摩耗には弱いのです。 今回は破損した部位を新しい革に変更することにしました。 ミシン縫いの糸を全て解き、もともと空いている細かいピッチに合わせて鹿人工健で手縫いにて仕上げました。 型紙を一から作らなければならなかったので、全て分解します。 金具の破損も見つけたので新しいものと交換しておりました。 長年の汚れやゴミもこの段階でしっかりと綺麗にしておきます。 内側につかわれていた革は厚みもしっかりとあるため、ダメージもなくそのまま使用できます。 表面に使う新しい革を用意し、1針1針丁寧に仕上げます。 冒頭にも記載した通り、僕のところでは他社の製品でも修理、カスタム可能です。 ただ、まず最初にメーカーさんに問い合わせてください。 つくり手としての誇りがあれば修理の責任を持っているはずですし、お客さんからの救助要請を待っているかもしれません。 メーカーがわからない、またはつくり手に見放されたものはご相談ください。 お客様の「大切にしたい」という想いがある限り全力を尽くします。
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Kei Arabuna /ケイ・アラブナ Archives
June 2022
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